◆イタドリ
イタドリ 4月〜5月。随所に見られる。谷すじでは去年の茎が茶色に枯れて、からからになっていて、根もとに紅を帯びた若芽が出ている。
草原のものは親が焼かれ株立ちになっている。若い茎は中空で紫紅色の斑点があり、節に白い膜状のさやがある。先にはとがった葉が抱き合っている。太い物は径3cmもある。
30cmばかりに伸びたのを折り取るとポンと音がする感じで、なるほどスカンポだと思う。皮をむいて噛めばサクサクとした歯ざわり、酸っぱさが口にひろがり、のどの渇きをとめてくれる。
生長するにつれ節間が伸び節から枝を出し卵形の葉を茂らせその重みで茎がしなう。手で折れるほどの若い茎は食べられる。ゆでて皮をむきよく水にさらす。短冊に切って、あえもの、煮びたし、油いために。塩漬けにして保存する。
イタドリ タデ科の大型多年草。雌雄異種。別名スカンボ、タンジナ、十津川ではゴンスケという。漢名は虎杖。





◆キイチゴ
キイチゴ 5月〜8月。遊歩道や草原周辺の道端に白い5弁の梅花形の花をつけている。茎や枝は細いつるのようで、鋭いとげがある。花が終わると粒つぶしたクワの実のような実ができる。
実は小さい核果が集合したものであって、黄色に赤に熟したものは甘い液を含み食べられる。いわゆるベリーである。木苺の仲間は落葉小低木で茨ともいう。
ナガバモミジイチゴナワシロイチゴ(写真)、ニガイチゴクマイチゴといった種類がある。









◆クワ
クワ 6月〜10月。お亀池の湧水地あたりに多い。他にもみられる。このあたりのは焼かれるためあまり大きくならない。
枝には毛がない。互生してつく葉は大きい広卵形である。長さ6〜14cm、巾3〜9cm、時に片側が湾入することもあり、3〜5に大きく中裂してクワの実と思えないようなのもある。ごわごわした感じがする。
雌雄異株あるいは同株で、葉の出る頃新しい枝の下部に花がついている。1〜4個の花は1cm足らずの集合花で黄緑色、目立たない。果実は集合果でつぶつぶしている。1cmほどの楕円形で熟すると赤から黒く熟す。
畑に栽培されるマグワの実は1〜1.5cmあって食べられるが、当地のは小さく食べるほどではない。
ヤマグワ 山中に生え、桑畑にも栽培される落葉高木、10m余にもなる。樹皮は灰褐色。クワの実は五臓、関節痛に効用があるとして果実酒にされる。また葉は蚕の餌である。





◆ササユリ
ササユリ 6月。田植えの頃、ススキの丈がまだ低いからよく目立つ。茎は円く、高さ50cm〜1m。大きい披針形の葉が茎の中程から上に互生している。大きい淡紅色の花は可憐である。年経たものは茎頂に4・5個もつける。
ササユリ 日当たりがよく、地温の上がらないところを好む。西日本に多い。県下では雑木林に多かったが、スギ、ヒノキが植えられ激減した。当地でも年々減少しつつあり絶滅を気遣われる。
姿が良いから手折られたり、引き抜かれたりする。引き抜くと鱗形は生長しないし種子も出来ない。掘り取って植えても平地は地温が上がるから、まず育たない。「やはり野に置け」である。
東日本に多いとされるヤマユリは、県下にもあるが当地ではまだ見ていない。







◆ゼンマイ
ゼンマイ 4月〜5月。どちらかというと湿ったところが好きなようである。そこで、北側や東むきの斜面に多い。でも、この草原のところどころに育っている。ワラビのように1本1本生えているのでなく、2本〜7本ほどの株立ちをなしている。
拳は円くレンズ形で白い綿帽子を被っている。綿帽子をはずすと若葉は渦巻きになっている。全体が紫色を帯びているものとがある。紫のものは葉が成長し展開して光合成を担当する栄養葉になる。一方、緑のものは胞子をつけ、生殖を受けもつ葉になる。この点クサソテツなどに似ている。
漢名は、薇。巻いた若葉が銭ほどの大きさから銭巻き、それがゼンマイの語源のようである。
若芽を手折り綿帽子を取り茹でて干す。生乾きをよくもんで乾かし保存する。
ゼンマイ シダ植物、ゼンマイ科の多年草。冬枯れる。根茎はオスマンダといってヘゴなどのかわりに用いられる。





◆タラノキ
タラノキ 雑木林のふちに、日当たりの良いところに棒のように突っ立っている。あまり枝分かれしない幹は2〜3m。大きいものは4mにもなる。一面に鋭いとげがある。
5月、幹のいただきに若芽が伸びる。夏には葉が大きく展開しやはりとげのある羽状複葉をなす。葉の間から花軸を立て、ヤツデのような白い花をもっとたくさんつけた散形花序をつくる。
タラノキ ウコギ科の落葉低木。幹にはずいがあり手頃な太さのを切ってレンゲ(すりこ木)を作った。若芽はクセのない味でテンプラにしたり茹でてひたしにしたりして食す。とげも気にならない。山菜随一という。
しかし芽をみんな折り取ったらこの木は枯れる。心すべきである。








◆ナラ・クリ
ナラ・クリ 5月〜10月。草原の南には雑木林が残っている。当地は海抜高700〜800m、冬の寒さは厳しいから、林にはシイ、カシは育たずナラが主体になってくる。クリの混じっているところもある。下草としてはミヤコザサ、コアジサイなどがある。
クリは葉が細長く、刺のあるいがが出来るから見分け易い。ナラにはコナラ、ミズナラの2種あるが、樹の肌も葉の形も似ているから区別しにくい。どちらもお椀のようなこくとにドングリが収まっていて秋にこぼれ落ちる。
昔は新炭材として刈られたが、近頃はシイタケの原木として利用される。大きいものは高さ15m、直径50cmを越す。花には雄花と雌花があって、今年伸びた枝に5月ごろ、若葉の出る頃開く。いずれもブナ科の落葉高木である。
クリ 秋、いがは裂けて1〜3個の栗のみをこぼす。柴栗といって小粒だが甘い。
コナラ 葉は長い楕円形で短い葉柄がある。堅果は楕円形で1.5〜2cmほど。
ミズナラ 材に水分が多い。葉柄は極めて短く、無いように見える。堅果はふっくらした卵状楕円形で2cmほど。







◆ノアザミ
ノアザミ 5〜8月。路傍、田畑の畦に普通にみられ、草原にもある。前年からの葉、根生葉は土ぎわにひろがり、ロゼットをなしている。
大きく羽状に切れ込んだ葉には白い毛があり白っぽく見える。切れ込みの先には鋭い刺があって無造作に触ると痛い。
晩春に茎を伸ばす。茎葉は互生し、葉柄はなく基部は茎を抱く。少数の枝先に大きい頭花を1つつける。紅紫色の花は何とも言えぬ鮮やかさ、それに派手ではない。
外国では改良され、ドイツアザミとして鑑賞されているのもうなづける。花期はかなり長い。
ノアザミ キク科の多年草。春のアザミはたいていノアザミである。ちぎれば白い乳液が出る。頭花を逆さまにして掌に軽く叩くと黒いゴマ粒のような虫が出てくる。アザミウマである。
若い茎葉は食用になる。







◆フキ
フキ 4月。どちらかというと湿ったところが好きなようである。日蔭の一すみに卵より少し小さい緑の丸いのが3つ4つ見つけることができる。フキノトウで浅緑の鱗片に包まれている。これは残雪のある早春から現れて春を告げるものの一つである。
鱗片葉は開いていくつもの頭花が一かたまりになって世界をうかがっている。暖かくなると花茎はだんだん伸びて花がまばらに配置され、30cmにもなると実になって綿毛を出し、タンポポのように新しい世界に飛び去る。
この頃から丸みを持つ腎臓形の葉が伸びてくる。葉柄の基部は鮮やかな紫紅色、いわゆる山蕗である。栽培品種は根もとも緑色をしている。
フキ キク科の多年草、雌雄異株、雌株では花後に花茎が長く伸びる。地下茎で旺盛に増える。漢名は蕗。
フキノトウは迎春の味。生をテンプラ、刻んで汁の実に、味みそに。葉柄は煮つけ、きやらブキ、油煮、葉は刻んで佃煮に、焼酎漬けにする。





◆ヘビイチゴ
ヘビイチゴ 5〜6月。土ぎわから何本かの走出枝(ランナー)を出して節ごとに細く長い柄のある葉を出す。葉は3出複葉で小葉は楕円形で縁に鋸歯がある。地についている節から根を下ろす。
葉の腋から1本の花柄を立て、先に1個の梅花形の黄花をつける。花弁は卵形で先が少し凹んでいる。
実(花托)は淡紅色で表面に粒つぶがある。この粒つぶが痩せた果実で痩花という。この点食用苺と同じである。赤い実はうまくはないが無毒である。
ヘビイチゴ バラ科の多年草。いたる所の路傍、原野に生える。蛇の食う苺ということで名づけられた。まさかと思うが。
仲間にヤブヘビイチゴがある。ヘビイチゴの花托の色が淡く細毛があるのに対して、真紅色で毛がなく、球形で径2cmぐらいある点で区別できる。







◆ヨモギ
ヨモギ 4〜5月。冬の寒さに耐え、火入れに耐えた地表の芽から幼い葉が伸びてきた。雨のあとでは黒い土にまみれている。粗く切れ込んだ葉が何枚かひろがっている。柔い茎も若い葉も柔毛に包まれていて白っぽい。特に裏面は白毛が密生するので白くなる。
「蓬生」というように人里に多いが山野にも普通の植物である。春、若芽を摘んで茹でる。このとき重曹を一つまみ入れると色よくあがる、ビタミンB1が少しこわれるが。これを餅や団子につき混ぜる。鮮やかな緑と匂いは、まさに春である。
葉の毛を集めてお灸のもぐさにする。伊吹山のは、さしもぐさと云って有名である。夏には1mにもなり花をつける。
ヨモギ キク科の多年草。本州、四国、九州、朝鮮に自生する。
オトコヨモギ 毛が少なく葉は4〜5cm。基部は楔形で葉身は3〜5裂している。






◆ワラビ
ワラビ 4〜5月。お亀池の西側の起伏のある丘、北側、東側の斜面のあちこち。茶色のうぶ毛をもつワラビが小さい拳を挙げて春風を打っている。
早蕨と言って春の代表的山菜の一つである。拳は若い葉で、腕は葉柄である。30cmばかりになったのを折り取る。折り口から透明な粘液があふれる。太いのも細いのもあるのは生えている場所の土が肥えているかどうかによるのだろう。
群生しているわけではないから、一握り集めるのに時間がかかる。1本手折りながら次のを見つける。持ち帰るうちに折り口から何cmかが生長するのか少し固くなっている。で、一握りづつ揃えて根もとを切り落とす。
草木灰や重曹をふりかけ熱湯を上から注いでワラビを殺す。アクが抜けると共に組織が死んで有害物質が分離して食べられるようになる。有害物質とはビタミンB1を分解する酵素である。
それで生食すると、脚気のような症状を呈するという。シカなどは、それを知っているのか若草山でもワラビを食べないという。
ワラビ シダ植物。ウラボシ科の多年草。葉は冬に枯れる。根からワラビ粉(デン粉)をとる。






◆アシ
アシ 5〜10月。お亀池の中心部を優占する群落を作っていて、水面をかくしている。初夏に筆のように新鮮な芽が伸びる。これを「葦かび」といっている。
夏には1m余にも成長し、中空の茎(稈)に大きいざらつく広披針形の葉を互生する。葉の基部は鞘となって稈を巻いている。
秋、長い穂を出す。穂の軸は何本もあって集まり、大形で紫色をしていて少し傾いている。強い風が吹くとなびいて趣がある。11月にはすっかり枯れてうらぶれた姿になる。
アシ 水辺に生えるイネ科の挺水植物。多年草。アシ(悪し)を嫌い、ヨシ(良し)とも言う。枯れたのを刈り取り、葦簾(よしす)やすだれに編む。








◆ウメバチソウ
ウメバチソウ 9月〜10月。お亀池に白い花を咲かせている。池の東側つまり山の手の遊歩道をゆっくり歩いて、ときどき覗き見るように観察しないとまず見過ごしてしまう。柵の内側のススキに遮られているし、草が小さいからである。
頼りないほどの細い茎は15cm〜40cmほど、先に径2cmあまりの白い5弁花を1つつける。花冠は梅花形でおしべは多数ある。
土ぎわにある数枚の根生葉は円い心臓形で長い柄がある。茎の中程に唯1枚、柄のない葉が基部で茎を抱いている。
ウメバチソウ ユキノシタ科の多年草。欧亜に広く分布する。日本では低地から高山まで日当りのよい湿ったところに見られる。梅鉢草の名は花の形からである。








◆オカトラノオ
オカトラノオ 6月〜8月。強い日差し、乾いた空気に耐えて、白い花が10cmほどの長い穂のような、尻尾のような総状花序をなしている。少し湾曲しているのは花の重みからだろうか。
近くで見ると径1cmほどの花冠は5つに裂け、星形をしている。花は下から咲き上るから、下方は3mmほどの丸い実で中程は花、先の方は蕾というものもある。
岡虎の尾で花穂を虎の尾に見立てた。サクラソウ科の多年草。日当りの良いところに普通にみられる。
ヌマトラノオ お亀池には少し丈の低いヌマトラノオがある。地下茎を伸ばし群をなしている。茎は50〜70cmほどで直立して分岐せず基部は紅色である。
葉は先の広いへら形をしている。花穂は湾曲しないので湿原に侵入したオカトラノオと区別できる。






◆オミナエシ
オミナエシ 8月〜9月。平地より幾分早く黄金色の花が点々と草原を彩る。蜜を出すのだろう、虫が訪れる。群生しているわけではないが一きわ目立つ。まだまだ日差しは強いが雲の流れと共に秋の近いことを感じさせる。
茎は直立し高さ60〜100cm、対生する葉は3対ほどに裂ける。側羽片は細い。花枝は対生し小さい多数の花が枝先に散房状につく。花が上方で平に咲き揃っている。
オミナエシ 女郎花。秋の七草の1つ。万葉集にはをみなえしとして14首記されている。オミナエシはオトコエシに対して姿が優しいからで、エシは飯、黄色い粟の飯である。










◆キキョウ
キキョウ 8〜9月。紺色の上向きに咲く花は端正な星型である。以前はもっと多かったのだが近年少なくなった。見つけることが困難なほどである。
蕾はうす青色の五角形で丸くふくらんでいる。花は何時頃開くのだろうか。開くときかすかにポンと音がするのだろうか。
花は上から下へと咲き下るから、上部は小形のけし坊主のような実で、下の蕾はまだ小さいということもある。
キキョウ 桔梗。キキョウ科の宿根多年草。山野の草原に育つ。秋の七草の1つ。あさがほとして万葉集にも出ている。
根は薬用にされる。花の白いのや早く咲く品種があって観賞用に栽培されている。










◆サギスゲ
サギスゲ 7月。お亀池、アシ群落の周辺に白い玉が点在している。
地中には長い地下茎があって、細く直立する稈(茎)を立てる。高さは30〜50cm、葉は線状で細く稈の下方に少数ついている。花は小さく、集まって径1cmほどの小穂を2〜5個、稈の頂につける。
果実の熟する頃、子房の下の刺状の針が長く伸びて2cmばかりの綿毛となり、全体が白い球状になる。
サギスゲ カヤツリグサ科の多年草。鷺すげ、点在する果穂をシラサギに見たてた。
貴重な植物で県下ではこことあと1、2箇所に見られるだけである。










◆サワギキョウ
サワギキョウ 8〜9月。お亀池に1mばかりの草が直立していて先に紫の花が群がっている。風に揺れて風情がある。遠くからで花の形はわからないが、湿原の夏の景観に趣を添えている。
サワギキョウ 湿地に生えるキキョウ科の多年草。地下茎は横に走り、しばしば群生する。茎は円く中空、葉は互生し数多い。披針状で先は尖り、縁に細かい鋸歯がある。長さ4〜7cm、巾5〜15cm、上になるほど小さくなる。
夏から秋、短い柄のある紫の花が横むきに開く。がく筒は5つに裂け先が尖る。花冠は約3cm、5つに裂ける唇形で、上が2つ、下が3つある。キキョウの花には似ていない。有毒植物である。
属名はLobeliaで、同属のロベリアの名で知られる可憐なルリチョウチョウは鉢に栽培される。







◆ススキ
ススキ 5〜11月。曽爾高原と言えばススキとハギ。草原の優占種である。
春、すっかり焼き払われたあと、地中から芽を出す。若い葉はさほど剛くはなくちまきを包むのに適している。
お月見の頃、平地より10日ほど早く紫の穂をかみ出す。すっかり出揃った穂は草原一面を紫に染め、風が走ると繊毛運動を見るように一斉に波うつ。
野分きの吹く頃、実が出来て銀色の毛が逆光に美しい。
実が飛び去ると穂はほうけてわびしくなる。
この頃から屋根葺き用に注文があれば地元の人によって刈り取られる。
ススキ イネ科の多年草。カヤ(萱)、オバナ(尾花)とも呼ばれる秋の七草の1つ。
万葉集にはすすきとして17首、をばなとして19首、かやとして10首出ている。






◆セイタカアワダチソウ
セイタカアワダチソウ 9〜10月。ここ数年、草原の周辺に侵入してきた。大和では1970年ごろから大きな群落を作るようになった。耕地が放置されはじめた頃と一致する。枝分かれしない棒状の茎は2mにも達する。晩秋、茎頂に大きな黄色の円錐花序を作る。
花枝は弓なりに反り返り、小さい頭状花を上向きに多くつける。花房は大きいが、感じがアワダチソウ(アキノキリンソウ)に似ているのでこの名がつけられた。花が終わると実につく冠毛が灰白色で全体が汚くなる。
この植物には特異な性質がある。根から特別な物質を出して他の植物の生育を抑える。そのつもりで見ると、セイタカアワダチソウの林のような群落には他の植物はみられない。この他種の植物の発芽や生育を抑える作用を他感作用(アレロパシー)という。
また群落の中心部が自家中毒を起こして枯れてしまうこともある。この現象はヒメジュオンやヒマワリにもみられる。
セイタカアワダチソウ 北米原産で明治20年(1887年)ころ渡来した。





◆ナデシコ
ナデシコ 7〜10月。ピンクの5弁の花は縁が細く裂けている。“万緑叢中紅一点”はナデシコの為にあるように思える。全草淡緑色で粉白色を帯びる。茎は細く斜になったり他の草に寄りかかったりしている。
対生する葉は細く単子葉植物のように見える。
カワラナデシコ ナデシコ科の多年草。単にナデシコとも云われる。向陽の草原にみられる。以前は普通に見られたが、近年著しく減少し将来が危惧されている。
撫子、大和撫子、石竹として古くから愛でられ万葉集には26首記されている。ピンクはカワラナデシコの色である。秋の七草の1つ。優しい女性を撫子のようだという。










◆ハギ
ハギ 8〜9月。ススキと共に高原の秋を代表する植物。
紫の小さい蝶形花が集まって短い総状花序をなしている。花はやがて青紫色になって歩道にこぼれ落ちる。
茎は70〜150cm、お箸ほど鉛筆ほどの太さだから、花時には花の重みで湾曲する。葉は互生し3枚の小葉に分かれている。
ハギ マメ科ハギ属の半低木(草のようでもあり木のようでもある)。草原にはマルバハギニシキハギツクシハギなどが見られる。マルバハギは葉が小判形で、葉の表面に細毛のあるのがニシキハギ、毛のないのがツクシハギである。
クロソへの途次には茎が紅色を帯びたキハギ(木萩)がある。乾燥地の故か丈が短い。
萩と書くように秋の花、七草の1つである。晩秋に刈り取って筆軸や紫垣に作られる。






◆リンドウ
リンドウ 9〜11月。遊歩道を歩いていて、ススキを掻き分けてみて容易に見つけることができる。紺青の花は筒形で上から見ると端正な星型で、高原のイメージにぴったりである。
草丈は50cmほど。茎がか細いから他の草によりかかっている。花屋で見かけるより頼りない感じ。
茎に対生する葉は5〜10対、長さ4〜10cm、巾1〜3cmの披針形、縁に微細な突起があって少しざらつく。茎頂の葉腋につく花は咲き下がる。花冠はラッパ形で5つに裂け小さい副裂片がある。
リンドウ 龍胆。リンドウ科の多年草。薬用にされる。
林床には茎が蔓になるツルリンドウがみられる。花は小さく丸い実は紅紫色に熟す。葉の細いホソバリンドウもある。